ASDが苦手なお金の管理~人生かかるから大切よね

ASDの娘と向き合って
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 自閉スペクトラム症(ASD)の方の傾向に、お金の管理が苦手ということがあるようです。

30万円を遣っちゃっていた娘

娘も、ちゃんとそう。

発覚したのは1年前。

☆ATM手数料無料回数の関係で、娘の口座に置いていた私のお金を15万円使っていた
☆発覚した時点でクレジットカードの支払いが8万円
☆キャンセルのできない5か月先までの通販予約販売での購入が合計7万円

合計30万円の使い込みがありました。

それは、それはびっくりしました。

返済スケジュールをたてる

気づいた時点で、させたこと。

1⃣申し込み済みの予約販売の購入をリストアップし、支払金額、期日、商品の到着目安を一覧にする。
 その中でキャンセルできるものがないかも再度確認する。
 支払い毎に封筒を作成し、期限の早いものから順にする。

2⃣予定している友だちとの外食や旅行の予定をリストアップする。
 予定毎にかかりそうな金額を書き出す(交通費も含めてなるべく詳しく)
 これも、予定毎に封筒を作成、予定が早いものから順にする。

3⃣バイトの給料の見込みをリストアップする。
 (娘のバイト先は、毎月15日と月末にバイト代の支払いがありました。)

この1⃣2⃣のリストアップから、支払いの期日を明確にすることで

「お金がない!」「支払いをしないと!」と、やみくもに自分の生活に制限をかけるばかりではなく、優先順位をつけることで支払と並行して、するべき生活もしていくということを教えようと思いました。

だから、口座に置いていた私の金の使った15万円は、必然的に優先順位はあと。
クレジットカードと通販の予約販売の支払いを先に片付けることにしました。

また、明確化により、思っているより猶予がある支払いがわかるので、ASD特有の考えの視野が狭くなり、どんどん追いつめられることを防ぎました。

でも、ASDの娘は、そんなにうまくこの流れには乗れませんでした。
初めこそ言われるままにリストアップし、黙々と封筒を作っていたのですが、出来上がった封筒の多さと、クレジットと予約販売の支払いが終わるだけで半年かかること、その間は買い物ができないことにすっかり絶望とパニックになりました。

しかし、これ以上隠れて支払いを増やされるわけにはいかないし、これを成功体験にしないとお金のことは一生ついて回ります。

私も必死でした。

先の見通しを示しながら、何度も何度も支払いをすすめていく道順を説明しました。

ハマった理由

 私が気づいたとき、娘は膨らみ続ける支払を隠すために、むちゃくちゃにバイトに入っていました。

なのに、それと並行してまだ通販の購入をしようとしていました。

一種の中毒状態か?と思うほどに。

クレジットカードと通販の支払いを終えた最近、なぜこんな支払いにハマったのか、を聞きました。

♧「Twitterやインスタでファンの集まりのようなものがあり、そこの人たちの『買う』『予約した』というのを見ると煽られたり、競争心が抑えられなかった」

♧「スマホの課金も同じ。イベントや限定があると、コントロールが効かなかった」

♧「バイトすれば、あんちゃんにばれないうちになんとかできると思っていた」

テレビでよく見る、闇金とかにハマった人たちのモザイクインタビューを聞いているようです。

ASDは、特性の「衝動性」「こだわり」「見通しを立てることが苦手」などにより、お金の管理は難しいと言われます。

でも、昔はお小遣い帳をきっちりつけて、毎月の貯金もして、頼んだお使いの円単位のお釣りもきっちり返してくれる子だったから、まさかこんな穴にハマるとは思っていなくて。

キャンセルができない高額の予約販売や課金のシステム、いろいろと腹立たしい便利があることもそうだけど、二十歳を超え、便利だろう、人も持っているだろうと、お金の仕組みやルールをろくに教えずに、信用という親の管理不足でクレジットカードや、手数料無料の回数稼ぎのために大きな金額のお金をノーガードで口座に置いておいた私に大きな責任はあります。

でも、いろいろな大切なことがスマホやネットで簡単になりすぎている。
親が教え、管理するには見えないことが多い、当たり前すぎて転がるスピードに追い付けませんでした。

だって、たった3か月足らずで使ったお金が30万になるなんて。

これを、娘のASDのせいにばかりはできないな、と。
我が家のあとふたりの息子たちも、簡単にはまる穴だと思いました。

娘の現在

 発覚からもうすぐ1年。

カードと予約販売の支払いは、1月にやっと終わりました。

そして、2月の念願の釧路旅行のにも行くことができ。

でも、2月末に入り口座の私のお金15万の返済に入ろうか!と思った矢先、また新たな予約販売の申し込み3万円を隠れてしていることが発覚し、またやり直しをしました。

その時に初めの支払いスケジュールを立てるなかでの「その間は買い物できない」「もう買い物はしてはいけない」と思い込んでいたことが分かりました。
だから、隠れてまた買い物をしたのだと。
そんなわけないし、そんなことできるわけもないのに・・・。

これが、特性の思い込み?と再び絶望しましたけどね。

手元にあるお金でなら、好きな買い物はしていい、という以前にしたと思う説明をもう一度したら、不思議なほど「そうだったの?!」と驚いていました。

目の前の返済に頭がいっぱいで、もう入ってこなかったんだろうな。

その3万円も、ちょうど年末のバイト代が多く入ったので、なんとか取り置くことができ、やっと15万円の返済にかかり始めることができました。

2度目の落とし穴のあとは、Twitterで流れてくる目に止まった販売情報を私に見せ、先に支払いを相談して買うかどうかを相談できるようにはなりました。

でもまた、いつ穴にはまるかもしれない、と私も娘も言い合いながら、日々お金の話しをしています。

「シャイロックの子供たち」を見て

先日、阿部サダヲさん主演の「シャイロックの子供たち」を娘と見ました。

普通の生活を送る中ですぽっとはまり込んでしまうお金の落とし穴、お金の魔力がとてもリアルで、身近に描かれています。

娘が一瞬で使ってしまった30万円のお金の話をふたりでしながら、誰しもその状況になる可能性はあり、誰しもその落とし穴にはまる。
今回の30万円が、親のお金ではなく外のお金だったら、こんな簡単には済んでいない。

そのことを娘は、自分の身に置き換えながら見てくれたでしょうか?

思いもかけず、娘が自分自身を他者視点で見ることができる映画をいいタイミングで見ることができました。

成功体験へつながってほしいです。

 ここまでお読みいただき、ありがとうざいました。
コメントなどいただけたら、励みになります。
よろしくお願いします。

コメント

  1. ぽぷら より:

    うちのASDの娘も、お小遣い帳をすすんでつけ、お釣りをきっちり返してくれるような子でしたが、
    最近、買い物したい欲が強まっているようです。今のところは、おもに使い先は書籍なのですが、いつそれがゲームの課金などに向かうかわかりませんよね! 推しもいるようだし、、
    身が引き締まる思いで読みました、、
    anchanさんの対応、素晴らしいですね!
    とても参考になる内容でした!

    • anchan anchan より:

       ぽぷらさん、こんにちは。
      私たちの子どもの頃とは、お金の管理や感覚、買い物の仕方など全く感覚が違うので、
      どんなことが起きているのか、把握するのが難しいときがあります。
      Payやチャージやなんだかんだと💦
      お金の教育って、本当に難しいですね。

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